カバードボンド・・・ECBが2009年5月の理事会で、金融市場支援のために、最大600億ユーロ分のカバードボンド購入の方針を表明し、この買入れ計画に関しては「国際的圧力に屈した措置なのかどうか」について、ドイツのメルケル首相とECBのトリシェ総裁との間で意見が割れているようですが、それでは、このカバードボンドとは何なのでしょうか?
カバードボンドとは、「無担保社債」と「資産担保証券」の間に位置する金融商品です。
このカバードボンドが発行された背景として、まず前者の「無担保社債」については、その名の通り資産の裏づけがないため、高い信用格付がつかないため、損益計算書上、高金利での調達となりやすく、また発行側である銀行の貸借対照表上は負債として計上されます。そのため収益性や生産性向上のためには大きな足かせになるという欠点が生じやすくなっています。
「無担保社債」によるデメリットを少なくするために考案されたのが、後者の「資産担保証券」ですが、「資産担保証券」とは発行体のローン債権や不動産を裏づけの対象資産として発行される金融商品の事をいいます。
「資産担保証券」とは、ローン債権や不動産などの特定資産を、発行体が設立したSPCに売却し、SPCが特定資産のキャッシュフローもしくは資産価値などを裏付けとして発行するため低金利にて発行が可能で、かつ発行体の資産をオフバランス化するため貸借対照表上には計上されません。
ちなみに、「SPC」とは、「Special Purpose Company」を略称表記した言葉で、日本語では「特定目的会社」と訳され、「資産担保証券」の発行など特定の目的の為に設立・運営される会社を言います。
このように「資産担保証券」は発行側にとって大きなメリットがあったのですが、サブプライムローン問題発生後の金融市場において、担保資産価値が低下したことにより、元利支払が滞り投資家の信用を失なったため、新たな発行が難しくなってきた訳です。
そこで「カバードボンド」の出番となる訳ですが、カバードボンドは発行体が持つ住宅ローンを担保としているケースがほとんどで、担保付という意味においては「資産担保証券」と近い性質を持っています。違う点は資産の裏づけのため「SPV」による保証を受けるものの銀行など発行体のバランスシート上負債として計上される点です。
ちなみにSPVとは「Special Purpose Vehicle」を略称表記したもので、匿名組合など自らは利益を獲得することなく、機関投資家などからの資金調達のためだけに設立される事業体を言います。
資金調達において、「カバードボンド」は、銀行側は低金利にて長期資金を調達することが容易になるというメリットがあり、一方の投資家側は、銀行が破綻しても、担保資産を優先的に回収することが出来るメリットがありますが、あまりに過熱化すれば数々の問題が発生する恐れがあり、市場の動きを注視していく慎重さが求められるのではないでしょうか?
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