「サブプライム問題の正しい考え方」の内容は、著者の倉橋透氏と小林正宏氏によれば、世界の金融市場を恐慌に陥れているサブプライムローン問題について、米国の住宅ローンの仕組までさかのぼって問題の根源を洗い出し、さらにこの問題の傷口を広げた証券化問題に関しても明快な分析を試みたとの事です。
「サブプライム問題の正しい考え方」のレビューですが、内容的には非常に明解で、よくまとまっているため、本書を読むことによってサブプライム問題について、かなり理解が深まるものと思われます。現状、アメリカにおけるサブプライムローンやオルトAローンの延滞はかなり増加しているようですが、とりわけ、金利先送りするタイプもしくは元本は返済しないで金利のみ支払うタイプの住宅ローンは悲惨な状況に陥っているようです。
今後、住宅価格が下げ止まったまま、金利が上昇を始めれば、ますます破綻が増加すると思われますが、「サブプライム問題の正しい考え方」の最大の眼目は、米国を教訓として如何に、日本における優良な住宅金融を構築していくかと言う事のようです。しかしながら住宅ローンのみでなく、原油や穀物など商品市場への資金逃避が起こったメカニズムや金融機関自体の経営問題など、国際的な実体経済の問題についてもかなり踏み込んで書いているようです。さらに統計資料や図表なども豊富に掲載してあり、理解を一段と深めてくれます。
今世界的な金融恐慌と言われていますが、「サブプライム問題の正しい考え方」は、サブプライムローンに端を発する金融や不景気等の経済問題について、一般の読者でも正しく理解できるように工夫された良書だと思います。
敢えて「サブプライム問題の正しい考え方」の不満を挙げるとすれば、今後のサブプライムローン問題の解決にあたって、倉橋透氏および小林正宏氏が主張する「補完的なリスク管理」のみでは、根本的な解決には至らないように感じられる点ですが、その点を割り引いても「サブプライム問題の正しい考え方」は一読の価値がある良書だと思われます。
サブプライム問題の正しい考え方
777 円
中公新書 著者:倉橋透/小林正宏出版社:中央公論新社サイズ:新書ページ数:221p発行年月:2008年04月この著者の新着メールを登録する【内容情報】(「BOOK」データベースより)世界金融を不安定化させているサ...>>もっと詳しく見る
→FX(外国為替証拠金取引)館ブログトップへ戻る












